世界の中心は彼らで回っている

勝利六人組。グループ内の年齢差およそ10。私との年齢差およそ18〜28。

24時間TV(岡田編)



◇岡田さんと高倉健さん

 昨年に亡くなられた高倉健さん。生前共演経験のある岡田さんは高倉さんゆかりの地へ足を運び、高倉さんの思いや生き方について触れました。今回は企画説明等は取り止め、ただただ私の思ったことについて語ります。






◯「本当に強い人は優しい」

 そもそも「強い」ってなんなんでしょうね。力のある人は勿論強いです。なら力のない人は弱いのか。それも違います。今までの私の生きてきた中で、私が「この人は強い人だ」と思った人の多くは肉体的強さを持たない人でした。それは父が蒸発して3人の娘を女手一つで育てる母だったり、近所に住んでいる車椅子で生活をする少年だったり、遠くの果ての内紛地域に住んでいる方々だったり。いわゆる「社会的弱者」。そんな人でも、そんな人の方が、私は強いと感じます。時々喧嘩もするけど私達を見捨てずに育て上げる母を、ハンディキャップを物ともせずに「これも自分の個性なんだ」と私に笑い掛ける彼を私は強い人だと思うのです。


 強いから優しいのか、優しいから強いのか。どっちもどっちなのかもしれません。


◯「僕が役を演じることで、5人の仲間と歌うことで、その仕事は誰かの心に届くでしょうか」

 
 岡田さんから亡くなられた高倉健さんへ宛てられた手紙の文中、涙ながらに語る岡田さん。
 「20歳になるまでにはV6を辞めて、大学へ行って教師になるんだなと思ってた」
 「『V6』の肩書きに違和感を感じていた」
 以前にそう語っていた岡田さんが、ずっと思っていたことかもしれません。その言葉を真っ直ぐ岡田さんを見据えて聞く坂本さんと三宅さん。伏し目がちに聞く井ノ原さんと森田さん。涙を堪えているのか、瞬きを多くしながら聞く長野さん。そんなV6を見てボロボロに泣くTVの前の私。


 鍛え上げられたその広い肩と大きな背中には想像も出来ない様々な物が背負われているのでしょう。「ジャニーズだから」と期待され、批判される。容赦なく突きつけられる視聴率や興行収入といった数字。私は貴方のファンだから、応援は出来ても支えてあげることは出来ません。もしかしたら私の応援が貴方を苦しめるかもしれません。
 身近にいるV6メンバーでさえ、貴方のその大きな荷物を支えてあげることは出来ない。それでも、「V6の岡田准一」の荷物の負担を減らしたり、貴方に呼びかけ、見守り、迎えてくれます。



 「自分達には計り知れない。すごいプレッシャーだよね」 そう貴方を心配する人がいます。

 「V6で集まる時くらいは何も考えずに笑っていて欲しい」 そう貴方を思いやる人がいます。

 「そこ(日本アカデミー賞)に立つ岡田を誇りに思います」 そう貴方を自慢に思う人がいます。

 「やっぱり20年で一番変わったメンバーは岡田かな」 そう貴方を見守り続ける人がいます。

 「俺達にとっちゃお前はただのオカダの三文字に尽きる」 そう貴方を受け入れる人がいます。


 「今まで自分は反抗期だった」 それでも咎めることなく笑い掛ける人がいます。

 「アイドルだけじゃなくて役者もやりたい」 そう言う貴方の背中を押す人がいます。

 「死んだ時に5人が自分の名前を覚えていたらそれだけで生きた価値がある」 その5人が貴方のそばにいます。貴方がその5人の中の1人になる人もいます。



 貴方が役を演じることで、その役に命が吹き込まれます。動き出すキャラクターを見て、私はいつも感動するのです。
 貴方が5人の仲間と歌うことで踊ることで、私に幸せが訪れます。V6を好きで良かったという喜びが湧き上がります。

 貴方は知らないでしょう。貴方が役を演じることで、5人の仲間と歌うことで、貴方の仕事が私の心に届いていることを。知らなくていい。これからも貴方は貴方らしくいればいい。貴方の隣や貴方の前には、貴方と共にある5人の仲間がいるから。少し離れたその周りには、貴方と様々なものを作り上げる色々な人々がいるから。貴方の遠く離れた後ろには貴方の想いを受け取ろうとするファンがたくさんいるから。

 貴方は強いから、優しいから、託されたものを1人で背負うのでしょう。そんな貴方だから、私は心配なのです。「こんなに背負って大丈夫なのか」と。自分でも悩み続けて、それでも前を向き続けるのでしょう。だからこそ私は貴方を愛おしく思うのです。

 これから先、貴方は色んな人と出逢い、色んな体験をするでしょうね。5年先、10年先、20年先。貴方はどんな素敵な男の人になっているのでしょうか。