世界の中心は彼らで回っている

勝利六人組。グループ内の年齢差およそ10。私との年齢差およそ18〜28。

長野博が好きだ


「V6って誰がいたっけ?
 えーっと、岡田くんイノッチ若い子(三宅さん)EXILEみたいな人(森田さん)‥ごめんあとは思い出せないや」
「岡田イノッチだけしか分からない」

「V6のメンバーは分かる?」と聞くとだいたいこうなる。「そもそもV6って誰居たっけ?」となる人もいる。岡田さんと井ノ原さんがV6に所属していることを知らない人もいる。(岡田さんは生田斗真さんのような立ち位置の人、井ノ原さんはNHKのアナウンサーだと思っていたらしい)


そんな会話を踏まえた上で、「じゃあ誰が好きなの?」と聞かれる。私が好きなのはタイトルでお分かりだろうが、長野博さんである。V6のグルメ担当、お母さんポジの長野さん。
そう言うと、これまた大半の人は頭に?を浮かべる。そして「どういう人だっけ」と私に尋ねる。長野さんのことを良く知らないからだ。

そう聞かれると私は回答に困る。「ウルトラマンティガの中の人のダイゴだよ!」と本当は言いたい。多くの人は長野さんの代名詞=ウルトラマンティガであろう。しかし私と同世代の子はウルトラマンティガを知らない。私の世代のウルトラマンウルトラマンコスモスになる。同い年でティガを知っている子はウルトラマンシリーズが好きなTくんだけだった。
ならば「グルメに詳しい人」と説明すればいいのか。それでも長野さんのことは上手く伝わらない。V6を良くご存知であれば納得するだろうが、そもそもV6という母体を知らなければこの説明はほぼ無意味である。
とどのつまり、長野さんのことを説明するのは私の手に余るのだ。

岡田さんや井ノ原さんの説明をするのは簡単だ。三宅さんは伊東家の食卓か嵐が好きなら「VS嵐によく来る嵐のライブが好きな健ちゃん」と言えばいいし、森田さんなら「愛しのナポリタン」を言えば結構伝わる。長野さん同様あまり名前が上がらない坂本さんも、「V6のリーダーだよ」と言えば立ち位置だけでも何となくは分かる。長野さんだけ上手く伝えられないのだ。

「長野担のくせに自担の魅力を伝えられないのか」と怒る人もいるだろう。しかし魅力を伝える前に、長野さんがどういう人なのかを簡潔に伝えなければならない。そのことが上手く伝えられない。土下座レベルの失礼さに値することは重々承知している。でも本当にこれだけはどうしようも出来ない。
だって私が長野担になったのだって、ほとんど瞬間的だったのだから。


自担というものをよく理解していなかった幼い私は多分岡田担だった。SPで岡田さんに落ちた。それから岡田さんのソロ曲をよく聴き、今はもう会えないであろう近所のお姉さんとV6のライブDVDを鑑賞し、岡田さんのことを幼いながらに追っていた。けれど気がついたら長野さんを目で追うようになっていた。

長野担である人にとっては経験がある人も少なくないだろう。本当に突然、気づいたら長野担になっていた。岡田さんが話したり歌ったり踊ったりしている時に横や後ろに映る長野さんに目が行ってしまった。
岡田さんが「長野くん好き好き」と言っていたせいか、メンバーの皆さんが「長野くーん」と長野さんを構っていたせいか。
「なんで長野担なんだろう」と思った日もある。担当探しにV6内を迷走し、坂本さんや三宅さんに揺らいだ日もある。それでも最後は長野博という男に落ち着く。
お尻を揉まれても、ババアと呼ばれても微笑む優しい長野さん。食べ物をキラキラした目で食べる可愛い長野さん。踊る時に見せる大人なかっこ良い長野さん。

自分が落ちた理由も良く分からないのに長野さんのことを知らない人に話すというのも案外難題である。
「なぞのひろし」とはよく言ったものだなぁ。