世界の中心は彼らで回っている

勝利六人組。グループ内の年齢差およそ10。私との年齢差およそ18〜28。

HELLO 覚えていますか?


 7月29日に発売されたV6の「SUPER Very best」。5種展開の発売で、私は通常盤を除く4種を購入した。通常盤だけ買わなかったのはただの私の財布事情である。少ないアルバイト代では賄い切れなかった。1ヶ月後のアニバコンのグッズ購入に向けて、1年後のアニバコンDVDに向けて貯金しなければいけない。収入の少ない学生にはキツイものであった。


 その中での新曲「〜此処から〜」「Wait for You」「HELLO」について思ったことを語りたい。バイトと学校だけの夏休みでV6を語りたくても語れない肩身の狭い私の鬱憤晴らしに少々付き合ってほしい。


 まずは「〜此処から〜」。V6がV6に向けて作詞作曲をした20周年に相応しい曲。PV内で少し製作状況が伺えたのだが、まずそのPVが私を泣かせに来ていた。ちらりと見えた森田さんの作詞ノート。いくつも単語が綴られている中で一際存在感を出していた「まもる」。10年前にも「応援してくれる人がいる限りV6を守っていきたい」と言っていた森田さん。何年経っても想いは変わること無く生き続けていた。貴方が「まもる」と言ったV6を私も守れるように、ずっと応援していきたい。
 それから私は井ノ原さんに「ありがとう」を言いたい。大サビの前に長野さんのソロを持って来てくれてありがとう。他のメンバー、特に同じトニセンと比べたらソロパートが断然少ない長野さん。そんな長野さんにあれだけの拍数のソロパートが振り分けられるとは思っていなかった私にはこれまた涙モノだった。ソロの歌詞と長野さんの声にバイトで疲れ切っていた私の涙腺はもうダメだった。何でも器用にこなすけど時々不器用になる長野さんらしい歌詞だった。
 タイトルの「〜此処から〜」は恐らく三宅さんの歌詞から取られたものだと思う。「感謝なんてしないけど此処からいなくならないで」という歌詞。「いなくならないで」での三宅さんと井ノ原さんのハモリがとても綺麗だった。悲痛な叫びのような、祈りのような、懇願のような。以前、坂本さんはV6を「一番の宝物」と言った。岡田さんは「ずっと笑っていてほしい」と言った。他のメンバーも、こんなにもV6を想ってくれているんだよ。だから安心していいんだよ。いつもの健ちゃんらしく自由そうに周りを俯瞰してて、それで。‥なんて気軽に言えるようなものではない。少なくとも私が言えるようなことじゃないけど。その日の夢は三宅さんだった。「いなくならないで」と泣く三宅さんの身体を「そんなことしないよ」と笑顔で包み込む他のメンバーを夢に見た。そうだといい。そうなるといい。



 「Wait for You」。THE MUSIC DAYで初披露された時は驚きのあまりTVの前で固まった。シャッフルメドレーでの「ウィークエンダー」の長野さんの可愛さにときめき、V6スペシャルメドレーでの「TAKE ME HIGHER」入りの「Wanna take me higher,Baby take me higher! 」で興奮した後の新曲は心臓に悪かった。
 急に大人な雰囲気になったV6。V字フォーメーションで始まり、V字フォーメーションで終わる振り付け。やはり印象に残るは足さばきだった。他にも緩急の付け方が上手く、5分にも満たない初めて観た曲に私は魅せられた。
 大雑把に分ければ1番がカミセン、2番がトニセンとなるこの曲。「ありがとう」の言葉はなく、ただついて来いと言っているような歌詞はV6らしい。終わりではなく始まりなのだと。彼らはもっと高みを目指していくのだと、言っている。そん彼らを信じて、21年目からも彼らの後を追い続けよう。
 余談だが2番の歌詞にある「一緒に来てくれないかい?」が何度聴いても「一緒に生きてくれないかい?」に聴こえてしまう。それでも「これからも彼らと生きていくのだからいいか」と思う。



 「HELLO」。3曲の新曲の中で一番聴かれていない曲だと思う。映像特典も購入特典も付かない、TVでも披露されないから。だが私にとって、今回の新曲3曲の中では一番好きな曲である。
 心地の良いテンポに(恐らく)ギターの音。歌うというよりかは、むしろ語るに近い歌い方。静かなAメロBメロと違い、声を絞り出して叫ぶように紡がれる「HELLO」という言葉。メンバーそれぞれの地声に近い歌声でのユニゾンが好きなのだ。声のトーンは異なるが、「Roadshow」なんかも好きだったりする。
 そんな「HELLO」は誰に向けて歌われているのか。個人的見解ではV6を離れた元のファンの方々に歌われているのではないかと思う。彼らが走り続けた20年間、彼らについて行くファンがいる一方で、ついて行くことを辞めたファンも必ずいる。そんな人へ贈る歌なのではないかと、自分勝手に思っている。1番はファン目線、2番はV6目線、なんて。真偽は作詞者の方にしか解らないが。
 叫ぶように歌われる「HELLO」という言葉。声質のバラバラな6人の歌声が重なって生まれるメロディーはとても綺麗で。「届いていますか?」と聞かれたら「届いているよ」と。「気付いていますか?」と聞かれたら「気付いている」と。「覚えていますか?」と聞かれたら「覚えているよ」と。遠くへいる彼らに届くように大声で応えたい。


HELLO HELLO 届いていますか?
        歩き続けていますか?
        気付いていますか?
        歌い続けていました
        覚えていますか?
        鳴らし続けているから  
   
                  HELLO